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映画レビュー「冷たい熱帯魚」感想 ボディを透明にする

某レンタルショップでトラウマ映画特集に陳列された作品にそそられてしまう、りょう(@sorimachi)です。

「凶悪」「ダンサーインザダーク」などの有名ドコに並んであった一作。凶悪も実録犯罪モノでぶっとんだ内容であり、冷たい熱帯魚も同じく、ぶっとんでいた。なによりも、でんでんの怪演が凄まじく、各俳優陣の体当たり演技も映画の世界、というよりも当時の犯行へと巻き込まれて行く。

僕はなんとなく、見終わった後に珈琲が飲みたくなりました。

 

冷たい熱帯魚

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公開日: 2011年1月29日

監督: 園子温

死別した前妻の娘と現在の妻。その折り合いの悪い二人に挟まれながらも、主人公の社本信行は小さな熱帯魚店を営んでいた。波風の立たないよう静かに暮らす小市民的気質の社本。だが、家族の確執に向き合わない彼の態度は、ついに娘の万引きという非行を招く。スーパーでの万引き発覚で窮地に陥る社本だったが、そんな彼を救ったのはスーパー店長と懇意のある村田だった。村田の懇願により店長は万引きを許す。さらに大型熱帯魚店を経営する村田は、娘をバイトとして雇い入れる。その親切さと人の良さそうな男に誘われて、社本と村田夫婦との交流が始まる。
しばらくして、利益の大きい高級魚の取引を持ちかけられる社本。それが、村田の悪逆非道な「ビジネス」を知り、同時に引き返せなくなる顛末への引き金となった。

 

共犯者の 供述書

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堀川恵子の教誨師と並び、今読みたい本「共犯者」それが原作となっている。
事件の舞台は1993年の埼玉、愛犬家殺人事件の名称でまとめられ、日本の犯罪史上でも残酷な殺害方法であった。しかし、1993年はオウムサリン事件や阪神淡路大震災と同じ年であり、それらによって事件の内容はメディアの影になったと言う。
こうした事件をベースとして脚本が描かれ、だからこそ、劇中での絵面は18禁も納得の描写だ。ライムスター宇田丸師匠が映画評でも「実録犯罪ものが日本映画の突破口になりうる」と言っているように、冷たい熱帯魚は邦画の中でもぶっとんで記憶に残る。
 

ボディを透明にする

闇金ウシジマくんでもこれと似た様な描写があった。それに巻き込まれる女性の姿も、どこかこの映画の主人公と重なる。私が知らないだけで、この事件をベースとして描かれた作品は多いのではないだろうか。

劇中で何回も来る返される残虐な言葉は、次第に傍観者の中に溶け込んでいき、日常の地続きにある犯罪の温床をそこに知る。犯罪を実行する人間はほんの僅かであるが、その僅かな可能性と交差してしまう事は誰にでもあって、自分の人生がそれに交差する事だってある。

一度でも、そうした犯罪と交差してしまい、逃げれずに巻き込まれた1人の男とその家族を、皮肉な喜劇で映し出す。あまりにもぶっとんだ作品。
 

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