映画レビュー「何者」感想 業の肯定

こんにちは。桐島部活辞めるってよ、をお家のDVDで見て「公開中の劇場で見たかった!」と少し後悔した、りょう(@sorimachi)です。

高知に移住してきて一週間が経って、はじめての映画館、AEON MALLの中にあるTOHOシネマへ行きました。…てか、高知にIMAXシアターが無い。

平日の劇場は案の定ガラガラで、上映中の映画はどれもこれも空席ばかり。

最初は森山未來が大好きなので「怒り」を見ようと思ったら、日に一度しか上映されておらず、しかも上映時間が朝の九時。今いる山の中からだと、朝七時には家を出ないと間に合わず。

他の作品をバーッと見てると、先日シネマハスラーで宇田丸師匠がハスリングしてた「何者」が丁度いい時間に上映。

すぐにチケットを買って見てきました。

 

「何者」


『何者』予告編

【公開日】2016年10月15日(土)

【監督】三浦大輔

【音楽・サントラ】中田ヤスタカ

「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす。

 

誰にでも訪れる社会人への道 

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戻りたくないあの頃へと無理矢理連れて行かれる感が凄まじく、電車のホームで足が黄色の点字ラインを超えようとしてた大学四年の冬を鮮烈に思い出した。

現代の日本において、大卒の割合は高く、だいたいの人ができる共通の話題が就活である。その話題の大部分は苦労や大変さでできていて、就活の話はそれ自体が終われば笑い話にもなるだろうが、就活が終わっていない真っただ中の側からすれば胃がきりきりするような話だ。

今回の「何者」は、その忌まわしき就活シーズンにタイムスリップしたかのようだった。

ただ一つ劇中の人物達に共感できなかったのは、就活を共にする仲間が私にはいなかったという事。幸か不幸か、二年休学していたイレギュラーな復学生には同級生も後輩もおらず、ほぼ一人で就活を行うしか無く、隣の畑が青く見える様な事は無かった。気負いはせずに、あの就活シーズンを終えたが、それでも良い想い出とは言い難い。

しかし、そんななんとなくB'zのALONEを口遊む程アローンだった私でも、佐藤健演じる拓人の気持ちは分からないでも無く、だからこそラストの畳み掛けシーンでは彼に感情移入しまくってしまって、胸を爪楊枝でぐりぐりされてるみたいな気分だった。

そして、開かれた未来を一度は閉じなくてはいけないという、無数の選択の中から一つだけの未来を決める行動に、寂しさにも似た悲しみを感じた。映画を見ていて、総じて辛かった。

 

あの頃を思い出す意味

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先月MOROHAというアーティストのライブに行ってきた。とあるTV番組がキッカケで火がついた、という2人組のバンド。アコースティック1本とマイク1本で奏でる熱いラップが凄まじく、虜になって10年ぶりくらいにCDやバンTを買った。

「何者」を見ていて、彼らの歌が劇中ふと過って、少し考えた。

MOROHAの書く詩はとても青臭く、人を上からも下からも見た末の現状、等身大のままに歌っている。この映画にも少し似た様なものを感じたからこそ、頭に浮かんだのだろう。

誰でも、青臭い時期はあって、私にもmixi時代に書いた日記は今でも耳が赤くなるような事ばかり書いてる。黒歴史、なんて言ったらそれまでだが、あの「達観してますよ、俺」的なニュアンスの言葉その端々には、表には出せない自己主張ようなモノで、何者でも無い自分が出来る精一杯の背伸びなのだと思う。

その背伸びでしている景色も、自然とその高さになって、何れはその上を行ってしまう。時間と、出会う人と、自分自身の経験値がその高さを勝手に押し上げる。

過去の背伸びは、黒歴史でもなく、今の自分を見つめ計るにちょうど良いモノ。mixiは今でも日記を残していて、たまに振り返ってみたりする。

 

「何者」でも無かったあの頃の想い出、ありますか?

就活の時に日記でも付ければ良かったなあ、と劇場を出て思った。想い出は勝手に脚色されて、勝手にドラマテックな展開になったり、脳は本当にいい加減に出来ていると思うからこそ、当時の記録をとっておくんだったなあ、と。

この映画は、あの頃の時代にタイムスリップして、忘れていた記憶を思い出させてくれた、無理矢理。

 

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